これから介護職を続けていこうと思っている方が必ず取得しないといけない、平成25年度から出来た、まだ新しい資格です。
「介護職員初任者研修(ホームヘルパー2級)」
→「実務者研修」
→「介護福祉士」
→「ケアマネジャー」
へと働きながら取得できます。
介護職員の質の向上と、複雑だった介護職のステップアップの仕組みを簡潔に分かりやすくするために、平成25年度から出来た研修・資格です。
今まであった「介護職員基礎研修」と「ホームヘルパー1級」は「実務者研修」へ一本化されました。
この研修の一番大きな意味は、「介護福祉士を受験するために必要な資格である。」ということです。
これからの将来、高齢化社会になることは確実な中で、必ず就職・収入につながる固い資格になることは間違いありません。
実務者研修とは。
実務者研修(通信教育あり)
平成28年度からの介護福祉士試験を受験しようとする実務者に対して受講が義務付けられるもの。
幅広い利用者に対する基本的な介護提供能力の習得に加え、医療的ケアに関する知識及び技能の習得を目的としており、平成24年度以降に初めて介護等の業務に従事する者が、早期の段階から働きながら数年間かけて少しずつ受講できるよう、平成24年度から実施されるもの。
実務者研修の受講内容・受講費用は、「介護職員初任者研修」の資格を持っている人などは、一部が免除になります。
実務者研修を修了すると出来ること。
実務者研修を修了すると、「サービス提供責任者」や「施設長候補」にもなれます。
実際には施設にはケアマネジャーや介護福祉士の方がたくさんいらっしゃると思うので、実務者研修を取ったからと言ってすぐに「責任者」や「施設長」は難しいと思いますが、それだけの仕事を任せられる責任が持てる職種に就けるということです。
「たんの吸引」や「経管栄養」も出来るようになります。
また、介護職員初任者研修と比べると資格手当が付くことがあり、より一層やりがいを感じられますね。
実務者研修の受験資格は?
この資格の受験は、介護職員初任者研修の資格を持たない未経験者や無資格者など、誰でも可能です。
実務者研修の資格の取得方法。
実務者研修は、未経験者(無資格者)の場合は「450時間の講習」を受けるとされていますが、介護職員初任者研修 の資格を持つ方は320時間に免除されます。
講習は自宅で通信教育で出来ますし、スクーリングは介護職員初任者研修の資格を持つ方は8~10回、無資格者は10~14回です。
毎日通う必要はないので、働きながらでも調整しながら受けられそうですね!
受講期間は、介護職員初任者研修 の資格を持っていれば約4ヶ月としているところが多いようです。
4ヶ月の間で自宅で勉強し、8~10回だけ教育施設に通えばいいだけなので、仕事に支障をきたすようなことはなく受講できます。
最短・最安で介護福祉士の資格を目指すなら。
最初から介護を学ぼうとするとき、「介護職員初任者研修(ホームヘルパー2級)」と迷われるのが「実務者研修」です。
「介護職員初任者研修」資格を取得しなくても、「実務者研修」の修了と3年間の介護業務等の実務経験を積めば「介護福祉士」の受験資格になりますが、最短・最安で介護福祉士の受験資格を得たい方は、介護職員初任者研修→実務者研修→介護福祉士を取得する方がいいですね。
費用と時間で比べてみましょう。
実務者研修と介護職員初任者研修、費用と期間。
全くの無資格・初心者から講座を受けるとします。
【介護職員初任者研修→実務者研修を取得する場合】
資格名 | 受講期間 | 受講費用 |
---|---|---|
介護職員初任者研修 | 1ヶ月 | 20,000円代~ |
実務者研修 | 4ヶ月(320時間) | 約150,000円 |
合計 | 5ヶ月 | 約170,000円~ |
【実務者研修を最初から取得する場合】
資格名 | 受講期間 | 受講費用 |
---|---|---|
実務者研修 | 6ヶ月(450時間) | 約200,000円 |
合計 | 6ヶ月 | 約200,000円 |
受講期間は1ヶ月差があり、受講費用は2万円~違ってきますね。
(介護職員初任者研修の資格を持っていれば、実務者研修の受講内容・受講費用は一部が免除になります。)
教育訓練にかかる費用は助成される制度があります。
- 教育訓練給付制度・・・教育訓練施設に支払った教育訓練経費の20%相当額を支給。(上限10万円)
- 母子家庭自立支援制度・・・雇用保険の教育訓練給付の受給資格を有していない人が教育訓練を受講し、修了した場合、経費の20%相当額を支給。(上限10万円)
助成制度についてはシングルマザーが資格を取得するために利用できる支援制度で詳しく説明しています。
介護職員初任者研修の他にも取りたい資格がある場合は、この制度を使うと授業料が援助してもらえることがあるので、教育訓練の指定教育訓練講座の一覧を見て、援助してもらえるか一度確認してみてください。
どちらの資格も無料で資料請求できますので、比べてみましょう。
実務者研修を取得するメリット。
介護職員初任者研修の資格を取得した方のほとんどが、この実務者研修を続けて取得されます。
理由は、介護職員初任者研修と比べると出来ることも増えて手当がつくことが多いことと、介護福祉士へのキャリアアップを考えている方が多いからです。
介護の基礎を学んで実務についてから、もっと介護について詳しくなりたい、介護を勉強したいと思われる方が多いのでしょうね。
【実務者研修を修了するメリット】
- 介護福祉士の受験資格が得られる。
- 介護福祉士の国家試験のうち、実技試験が免除になる。
- 介護職員初任者研修を比べて手当がつくことが多い。
- たんの吸引や経管栄養が出来る。
- サービス提供責任者や施設長候補になれる。
- これからも仕事量が確実な介護業界で、長く働いていける自信につながる。
介護職員初任者研修の資格を持っていて、これからも介護職としてステップアップしたい、収入アップしたいという方は、早いうちにこの実務者研修を受講することをおすすめします。
介護職員初任者研修から介護福祉士になるためには、3年間の実務経験とこの実務者研修を修了している必要がありますが、実務者研修の修了までには4か月ほどかかる人が多いようです。
家庭の事情や職場で休みの都合がつかなかったりして4か月以上かかるようなこともあるかもしれませんし、介護福祉士は国家資格なので試験は1年に1度です。
それまでに余裕をもって実務者研修を修了しておかないと、タイミングが悪ければ介護福祉士の試験を1年待たなければいけなくなることにもなりかねないので、実務者研修は早めに取得しておきましょう。